- 2019-03-30
- 2020-12-30
IS-LM曲線の解釈
マイナス金利政策の解説の中でも示しましたが、昨今のマイナス金利を巡る議論を見ていると、金融政策としててマイナス金利の効果についてコンセンサスが形成されておらず、日銀は難しい舵取りを強いられています。ここでは、一歩下がって、そもそもどうして金利をコントロールすることが国民所得に影響を与えるのか、IS-LM曲線の解釈という形で、深堀りしてみようと思います。 貨幣市場がよくわからない IS-LM曲線に関 […]
マイナス金利政策の解説の中でも示しましたが、昨今のマイナス金利を巡る議論を見ていると、金融政策としててマイナス金利の効果についてコンセンサスが形成されておらず、日銀は難しい舵取りを強いられています。ここでは、一歩下がって、そもそもどうして金利をコントロールすることが国民所得に影響を与えるのか、IS-LM曲線の解釈という形で、深堀りしてみようと思います。 貨幣市場がよくわからない IS-LM曲線に関 […]
R-word Indexとは、英エコノミスト誌が2008年に記事にした、簡潔且つ示唆に富む景気指標です。Recession(不況)という単語が主要紙に何度登場したかを四半期ごとに計ったもので、因果関係はともかく、計測値と景気動向には相関があると言われています。確かに、新聞に「不況」という文字が踊りだすと、ちょっと高い買い物を控えようとか、リスク投資を控えようとか、無意識のうちにそういった行動になる […]
手元に1928年に発刊された前原久夫著「ヘンリー・フォード」という古書があります。著者がフォードの著作をあたって纏めた本だと思いますが、内容が仔細でとても興味深い。フォードといえば、T型フォードに代表される大衆車の大量生産システムを発明した偉大な実業家ですが、100年経った今でも全く色あせない経営理念を提供してくれています。この本に紹介されたストーリーから、僕が興味をもったところをいくつか紹介した […]
英エコノミスト誌で、毎年国連が主導しているWorld Happiness Report(国民の幸せ調査)が紹介されていました。経済誌らしく、その結果をGDPとの関係で図示したものが下表です。 表を眺めると、大方の予想通り、一人当たりGDP(簡単に言えば一人当たりの給与)が高い国の国民ほど、幸せだと答えているように見えます。ところがちょっと詳しくここ10年の変化で見てみると、そのような関係を示してい […]
金融政策は、日銀という、政府からは独立した機関が独自の判断で行う景気調整の手段です。2013年3月から黒田さんが総裁をなさって、政治からの独立性を維持しながらも安倍政権と歩調を合わせたリフレ政策を主導してきました。就任当初から量的緩和といわれるマネタリーベースの拡大を決定し、2016年からはマイナス金利政策を導入しています。とにかく「金利を下げ」て、投資や消費行動に働きかけて内需を刺激するという金 […]
景気動向を見るうえで重要な先行指標のひとつ工作機械受注が、5カ月連続で前年同月比割れし、2月は29.3%減でした。2018年は過去最高の2兆円の大台を窺っていたことから、多少の反動減は楽観論の範疇でしたが、そろそろ景気減速への懸念をコンセンサスとすべき状況のようです。 工作機械は、モノを作るための機械なので、工作機械メーカーへの注文は、企業側のモノの需要見通しに大きく左右されます。最近のニュースか […]
すでに化合物の物質特許や用途特許が切れている医薬品を、別の領域の医薬品として再開発する動きは、ドラッグ・リポジショニング(Drug Re-positioning)とか、ドラッグ・リパーパシング(Drug Re-purposing)といわれます。まずは、英Economist誌リーダーセクションの記事を紹介します。 Too rarely raised in this discussion is one […]
景気動向指数が発表されました。一致指数の下降トレンドが明確に出ていて(下図参照)、景気の基調判断も下方への局面変化にあるとの見方が示されました。 指数の中身をやや詳しく見てみますと、先行指数では、特に新設住宅着工床面積が前月比▲7.4%と目立って悪化しています。過去、消費税増税前のトレンドを見ますと、5%にあがったときも8%にあがったときも1年前くらいから半年前くらいまで明確な駆け込み需要が見られ […]
サイモン・シン(Simon Singh)というサイエンス・ライターの著作が好きで、訳されているものはすべて読んだ。これは彼の著作のひとつ、「代替医療解剖(Trick or Treatment?)」に紹介されていた、フローレンス・ナイチンゲールに関するとても興味深いストーリーです。 1800年代半ばのクリミア戦争で、ナイチンゲールは従軍看護師として、トルコのスクタリ病院で働くことになります。赴任当初 […]