- 2023-08-05
- 2023-08-05
サンク・コスト(Sunk Cost)の話
投資の評価方法を勉強すると、サンク・コストという言葉によく出くわします。直接的には過去に使った費用のことを指しますが、投資評価においては、過去に使った費用は採算上考慮すべきでないという文脈でよく見かけます。 サンクコストとは、すでに支出されて回収できない費用のことです。経済学や経営学では、意思決定に影響しないコストとして扱われます。サンクコストは、過去にかけた時間やお金などが正しい判断を妨げること […]
「過而不改、是謂過矣」過ちて改めざる、これを過ちという。(論語)
私は過去、大手商社、ベンチャー企業、外資系企業の財務部門で様々な経験を積んできました。その間、英国にある大学院にてMBAの学位を取得しました。客観的に見て、企業財務の専門家といえるだけの経験はあるのかもしれませんが、過去の経験や知識はすぐに古くなってしまうくらい社会の変化が早いので、なんとか遅れないように知識のアップデートを続けています。
今までの知識の棚卸しをしつつ、企業財務に関わる話題をエッセイの形で書き連ねました。専門的になり過ぎず、一貫してわかりやすい言葉で書くことを心掛けています。内容に関して、異なる見方やさらなる議論が必要な部分が多々あると思います。このエッセイの趣旨に鑑み、私自身大いに議論に参加し知識の幅を広げたいと思っております。
投資の評価方法を勉強すると、サンク・コストという言葉によく出くわします。直接的には過去に使った費用のことを指しますが、投資評価においては、過去に使った費用は採算上考慮すべきでないという文脈でよく見かけます。 サンクコストとは、すでに支出されて回収できない費用のことです。経済学や経営学では、意思決定に影響しないコストとして扱われます。サンクコストは、過去にかけた時間やお金などが正しい判断を妨げること […]
ユーロがデジタル通貨の導入を割と真面目に検討しているらしい。ユーロという通貨は、今年から採用されているクロアチアを含め20の国家で用いられています。1999年に始まった通貨統合の試みは、2008年のリーマン・ショック、2015年のギリシャ危機を乗り越えて、次のステージを模索している。通貨発行権を有する中央銀行は、決済機能を提供するほか、金融政策によって物価に対する相対的な通貨価値をコントロールし、 […]
バイデン政権が2兆ドルの経済対策を打ち出したことを契機に、米国10年債の利回りが0.5%水準から1.6%まで上昇しました。各国で集団免疫獲得によるコロナ禍収束のシナリオが漸く現実味を帯びてきたことから、失業による需給ギャップを許容する経済運営から、雇用正常化に舵を切りました。失業が許容されると、企業は一時的に利益を出しやすくなりますから、株価は一時的なバブル状態を呈していましたが、徐々に落ち着いて […]
論理的思考を持っている方ほど問題解決のプロセスというものに興味がないかもしれません。特にプロセスを意識せずとも、妥当な解決策に辿りつくからです。しかし、一般人には簡単なことではありません。いくつもの問題を抱えるマネージャーにしてみれば、一般人でも妥当な解決策を導くことができる魔法のプロセスを組織に埋め込んでほしいと思うでしょう。ということで、問題解決のプロセス構築に対する需要は大変高い。 日本を代 […]
以前、こちらに外資系企業への転職を考えている方へのメッセージをしたためました。若い頃ならリスクを理解したうえで転職という決断を下すことができても、年を重ねるとどうしても守りに入ります。特に、管理職として転職するときには、それなりの覚悟が伴うものです。数年前、私自身が外資系企業の管理職として転職した日に書いたメモを読み返しますと、そのときの覚悟がにじみ出ていて、今でも新鮮な気持ちになります。 自分自 […]
ビジネス・ケースを評価することは財務部門の最も重要な仕事であるにもかかわらず、財務部門がきちんと関与できている例は多くないと感じます。会計基準に基づくPL・BSインパクトを示すことももちろん大事ですが、プロジェクトのリスクやリターンを可能な限り客観的に数字で表すという財務分析がきちんとできているかどうかは疑わしい。私の経験でいえば、経営者のストーリーに沿うように「数字を作る(cooking num […]
組織設計に先立って、重要業務やプロセスをどの機能が担うかを明確にしたものをオペレーティング・モデルといいます。現状の組織図にとらわれることなく、業務を効率的に回すあるべき姿を考えるときにこの用語がよく用いられます。外資系企業を例にとると、会計サービスをどこかの国で集約するかとか、人事サービスを専門会社にアウトソースするとか、カスタマーサービスの責任をどの部門に持たせるかなどが、オペレーティング・モ […]