障害者就労の充実に向けて

自閉症の息子が特別支援学校高等部を卒業しました。厳かな雰囲気とはまるで異なる、あちこちでノイズだらけの卒業式に参加しました。うちの息子もそうですが、卒業したお友達もみんな立派で、いい笑顔でした。もう涙が止まらず大変でした。

少し古い内閣府の資料によれば、特別支援学校卒業生の進路は、約3割が就職、約7割が作業所などの施設とのことです。おそらく、就職者の割合は増えてきていると思います(データが見つかればアップデートしていきます)。というのも、就労支援制度が充実してきており、雇用企業が国からの補助金を原資の一部として障害者を採用できるようになってきているからです。実は、この制度こそが「障害者ビジネス」というモラルハザードを引き起こしており、社会問題になりつつありますが、その点は追って書きます。政府の支援制度はどうしても「支援=補助金」という枠組みにとらわれるようなので、ここでは違った視点で障害者就労の促進を図る枠組みを考えます。

ランキング

財務マンを抜け出せない発想で恐縮ですが、複数事業を競わせることによって全体の業績向上を図る手法は極めて一般的です。また、レストランを評価したサイトとか転職者の声を集めたサイトは、その活動を通じて、評価される側の行動にも影響を与えています。障害者就労という分野にフォーカスして、就労者数や比率のみならず、もっと多様な視点で事業所を評価してランキングすることで、事業所側の意識や行動を改善させていくことができるのではないでしょうか。

認証マーク

B2B(会社間取引)を行う企業は、ISOという品質認証取得がほぼスタンダードになっています。環境保全に資する商品に付されるエコマーク、欧州安全基準をクリアするCEマークなど、世の中にはいくつもの認証マークが存在しますが、障害者就労に理解ある会社や、障害者が携わるサービス、製品に付される認証マークは、私が知る限りありません。自閉症の方とそのご家族だけでおそらく1000万人にはなりますから、他の障害をあわせた障害者コミュニティの購買力は相当なものがあります。そのコミュニティが認証マークのついた製品しか買わない、お店にしかいかないとなると、事業所側の意識も変わっていきます。

学術論文評価

世の中を動かすうえで学術研究は極めて重要です。障害者就労、障害者支援という、なかなか陽のあたりにくい社会学的課題についての学術研究に、表彰の場を設けるとか論文紹介の場を設けることは、研究レベルの向上につながると思います。なんでもかんでも持ち上げて紹介するのではなく、きちんと審査して、高い質を維持すれば、そこに計り知れない価値が生まれると信じます。

こういうことをやるために会社を作りました。これから、ちょっとずつ動かしていきます。

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