中古車市場の経済学

The existence of goods of many grades poses interesting and important problems for the theory of markets. On the one hand, the interaction of quality differences and uncertainty may explain important institutions of the labor market. On the other hand, this paper presents a struggling attempt to give structure to the statement: “Business in underdeveloped countries is difficult”; in particular, a structure is given for determining the economic costs of dishonesty.


The Market for “Lemons”: Quality Uncertainty and the Market Mechanism, by George A. Akerlof in 1970

ノーベル賞経済学者ジョージ・アカロフの「レモン・プロブレム」が示唆する現象は、今でも至る所で見られます。

そもそも「レモン」とは中古車のことを指しています。中古車の売り手Aは、その中古車がどのような状態にあるか完全に把握している。10年近く乗った愛車で走行距離は10万キロを超えているが、エンジンはすこぶる快調、メンテナンスも定期的に行っていて不具合など一つもない。一方で、中古車の買い手は、10年も経っていれば一般的にはどこか不具合があって、10万キロも走っていればエンジンから多少異音があるとか、加速性能がイマイチだとか、そんな疑義を拭うことができない。売り手Aはこの中古車を50万円で売りたいと思っているが、買い手は25万円でさえも高いと考える。そうするとこの売り手Aは中古車を売ることを控えてしまいます。

そこに、同じ10年落ち10万キロの中古車を売りたい別の売り手Bが現れます。彼の中古車はエンジンの調子が悪く、加速性能も十分ではない。メンテナンスなど入れたことがない。ただ外観はまだ新しく見える。だから25万円で売りに出して、20万円以上で売却したいと考えている。

結局、市場には、売り手Bの中古車だけが25万円で出され、買い手は交渉の結果、それを20万円で購入するのです。

売り手と買い手との情報量のギャップが原因で、市場にはポンコツ車しか出回らなくなります。アカロフの指摘した「レモン・プロブレム」は、この情報量のギャップ(非対称性)が市場機能に及ぼす悪影響について分析しています。この分析を障害児デイサービス市場に当てはめてみた。次回の更新でアップしたい。

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