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財務の仕事ー知識と経験の再検証

  • 2019-06-11
  • 2020-08-01

ビジネス・ケースの基本

ビジネス・ケースを評価することは財務部門の最も重要な仕事であるにもかかわらず、財務部門がきちんと関与できている例は多くないと感じます。会計基準に基づくPL・BSインパクトを示すことももちろん大事ですが、プロジェクトのリスクやリターンを可能な限り客観的に数字で表すという財務分析がきちんとできているかどうかは疑わしい。私の経験でいえば、経営者のストーリーに沿うように「数字を作る(cooking num […]

  • 2019-05-30
  • 2019-05-30

コスト削減の方法

コスト削減という課題に対して確立した確実な手法があればよいのですが、そういった便利なものに巡り合ったことはありません。しかし、財務部門にはコスト削減という課題に対して説明責任がありますから、課題への対処方針を明確に示さないといけません。今までの私の経験から、説明責任を果たす上で適当なアジェンダについて纏めてみました(特に工場組織で重要な効率改善によるコスト削減は除いています)。 役割と責任の重複を […]

  • 2019-05-24
  • 2019-05-30

オペレーティング・モデル

組織設計に先立って、重要業務やプロセスをどの機能が担うかを明確にしたものをオペレーティング・モデルといいます。現状の組織図にとらわれることなく、業務を効率的に回すあるべき姿を考えるときにこの用語がよく用いられます。外資系企業を例にとると、会計サービスをどこかの国で集約するかとか、人事サービスを専門会社にアウトソースするとか、カスタマーサービスの責任をどの部門に持たせるかなどが、オペレーティング・モ […]

  • 2019-05-23
  • 2019-05-30

見える化の実践

オフィスにいるとき、とてもよく耳にしながら、その意味が分からない言葉のひとつ。人それぞれで、理解が異なります。数字の羅列をグラフ化することを「見える化」と捉えている人もいれば、表を印刷して壁に貼ることを「見える化」という人もいました。Wikiには「見える化(みえるか)とは、企業活動における活動実態を具体的に分かるようにすることである」とあります。 私は、某外資系企業で、「見える化」を学び実践する経 […]

  • 2019-03-11
  • 2023-09-17

ドラッグ・リポジショニング

すでに化合物の物質特許や用途特許が切れている医薬品を、別の領域の医薬品として再開発する動きは、ドラッグ・リポジショニング(Drug Re-positioning)とか、ドラッグ・リパーパシング(Drug Re-purposing)といわれます。まずは、英Economist誌リーダーセクションの記事を紹介します。 Too rarely raised in this discussion is one […]

  • 2019-03-07
  • 2023-09-17

外資系企業への転職を考えている方へのエール

大学を卒業して日系企業で働いていたころ、英語もろくにできず、外資系企業で働くなんて考えられませんでした。しかし、気がつくと、もうキャリアの半分を外資系企業で過ごしたことになります。 私自身が外資系企業でキャリアを積み上げてプラスだったかどうか、その答えはまだまだ先ですが、少なくともいくつかの異なる環境、文化の中で、成功も失敗も積み上げてきたこと自体に後悔は全くありません。日系企業にいる方で外資系企 […]

  • 2017-09-27
  • 2019-05-30

前年比と予算比

外資系企業での経験を経て強く感じたことのひとつに、「前年比を重視しない」というものがあります。全く見ないということはありませんが、日本企業に比べてその重要度は数段低く感じました。過去を過度に顧みない姿勢は、財務分野のみならず、いろんなところで感じます。ある問題に対し、日本企業では過去の経緯を徹底的に調べて前例を洗うところから始めますが、外資系企業では将来の影響の分析に重きを置きます。ついでにいうと […]

  • 2017-09-24
  • 2019-05-30

内部利益をどう分配するか

大企業で会計に従事する人なら、連結決算の手続きについて少なからず造詣があると思います。子会社や関係会社の数字をどうやって親会社の数字に組み入れるかという、少しばかり頭の体操を伴う業務です。というのも単純に足し算すると、子会社宛てに計上した売上とが二重に計上されていたり、親会社から子会社に販売したもののまだ外部に売れていない商品に関係する利益を消去したり、バランスシートにある親子間の貸借を相殺したり […]

  • 2017-09-24
  • 2019-05-30

財務リスクの測定

財務リスクのうち、金利リスクと為替リスクをどう測るかについて、ここ20年の間に目覚ましい進展がありました。出発点はなんといっても「ブラック・ショールズ・モデル」です。オプションという金融商品の価格決定に関する理論で、考案者のFisher Black氏とMyron Scholes氏は1997年にノーベル経済学賞を受賞しています。オプションとは、ある金融商品を将来売ったり買ったりする権利のことで、この […]

  • 2017-09-24
  • 2019-05-30

財務リスクの集中管理

トレジャリーの役割は、財務リスクの徹底回避であることを申し上げました。しかしながら、リスクを回避するにもリスクの測定ができないと手の打ちようがありません。リスク回避のつもりが実際にはリスクを増やしてしまっているという状況は、私の経験からいって少なくありません。 貿易や海外活動を行っている企業にとって、為替リスクは身近なリスクでありながら、その測定ができていません。測定ができていないので、輸出入で外 […]