障害者が働くワイン農場

1950年代のこと。机の前での勉強が苦手な少年たちが、鉛筆を、鋤や鍬に持ち替えて、山の急斜面を切り開きはじめました。夏の河原で草を刈り、冬の落ち葉を集め、陽当たりの良い南西斜面の畑に自然の肥料をたっぷりと施し、600本あまりの葡萄の苗木を植えたのです。
1980年代、この急斜面の葡萄畑の谷間で、たわわに実った葡萄をつぶし、ワインづくりがはじまりました。知的な障がいをもつ人たちが暮らすこころみ学園の「ぶどう小屋」と呼ばれる小さな小屋の、小さなタンクのなかで、はじめてのワインが誕生しました。


ココファーム ホームページより

国賓を迎えるサミットやJALファーストクラスで使用されているワインが、実はたくさんの知的障害者が働く農場で作られたものだという事実をご存知でしょうか。

栃木県足利市にあるココファームは、1950年代に創業者で特殊学級の教師であった川田昇さん(故人)と、特殊学級の生徒さんが取り組んだ葡萄作りが起源です。現在130名の知的障害者がこころみ学園という障害者支援施設に所属し、ココファームでの葡萄作り、ワイン作りに携わっています。

あくまで僕の主観ですが、製造しているワインの評価は非常に高いものの、キャパシティに限界があるため、ビジネスとして見たときに決して余裕ある状況とは言えません。実際、こころみ学園は政府の補助金をもとに成り立っているようです。

こんなことを考えるのは僕だけでしょうが、ココファームの事例は、障害者の方々が収入を得ながら事業を成り立たせることの難しさを教えてくれます。ココファームよりうまく経営するなんて、ちょっと考えられない。それほど素晴らしい施設です。

今は、ココファームのワインを購入するくらいしかサポートできていません。是非、経営を学んで、このような意義ある事業を立ち上げたい。

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