Dental Support Organization (DSO)について

三井物産が米国で歯科医院経営に参画しました(2022年10月18日付日経記事)。民間の営利企業が歯科医療サービスに参入するという構図は、日本では見られません。コンビニより多い68,000ものクリニックが街中に溢れていますが、それらはほぼすべて独立しており、フランチャイズ化もされず、グループ化もされていません。端的に言えば、公益性公共性の高い歯科医療サービス分野ゆえ、資本集約による経営の効率性追求は必要ないとの思想が自由な資本移動を制約しています。この思想そのものは尊重すべきですが、経営の効率性追求を否定すべきではありません。

 米国では、デンタル・サポート・オーガニゼーション(DSO)という、医療行為以外のサービスを提供する営利プラットフォームを軸に、公益性公共性と経営の効率性追求とを両立しようとする仕組みが市民権を得ています。三井物産は、このDSOへの投資を通じて歯科医院経営に参画しました。

DSOは、医療行為以外のサービスで規模の利益を追求しながら付加価値を患者や株主に還元するのみならず、歯科医院で働く医師に興味深い便益を提供しています。DSOが出現する以前は、歯科医師の選択は、勤務医か開業医かの2択でした。クリニック開業は魅力的な収入が期待できる一方、少なくない借金を背負い、長期に亘ってクリニックの経営に縛られることになります。DSOは歯科医師に、実績に応じた報酬を与えながら、子育てなどで一定期間経営から離れることを可能にするなど、第3の選択肢を提供しています。既に10%以上の歯科医師がDSOと契約しており、その内訳を見ると女性や若年層の割合が高くなっています。この便益は、日本の歯科医師にも支持されるように思います。

この仕組みの日本での展開を画策しています。

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