In Britain, only 12% of higher-functioning autistic adults work full time. Globally, the United Nations reckons that 80% of those with autism are not in the workforce.
The Economist, April 16, 2016
自閉症にまつわる社会問題について書かれた英エコノミスト誌の記事は、ノーベル経済学賞を授与されたジョン・ナッシュ教授の半生を描いた映画「A Beautiful Mind」を想起させる題名を付しています。疾患名は異なるものの、いずれの患者においても、健常者から見ると、患者本人に見えている状況や本人が考えていることを見通すことは大変難しいが、そういった患者の方々は「美しい心をもった人」という表現を付すに値する純粋な心を持っています。少なくとも自分の経験からはそう思う。
Wastedという表現は、多くの自閉症の方々が社会において収入を得られる職業を得ていないという状況を表現しています。そもそも自閉症の方々が社会のどこにいるか、少なくとも日本では知らない人が大半でしょう。68人に1人は患者がいらっしゃるのに。
自閉症児の親だから、この状況はよくわかります。息子が高校を卒業して、社会から一人前の収入をいただく姿なんて想像できません。せいぜいコンビニの前で掃除をしながら、道行く人に挨拶する姿が浮かぶくらい。1時間も必要ない。経営者だったら、それだけのことにどれだけお金を払えるでしょうか。社会に初めて出る新入社員に対する初任給には多分に将来への投資が含まれていますが、果たして自閉症児は投資するに値するのでしょうか。
福祉という枠組みを超えて、社会の歯車として活躍するために、アイデアを絞り出す毎日が続きます。