経営に科学的アプローチを求める米国では、種々の研究の成果として、新任リーダーができる限り早期に組織に貢献する(ブレーク・イーブン・ポイントに到達すると表現)ためにすべきことを、オン・ボーディング(On Boarding)の原則として掲げた書籍がかつてベストセラーになりました。ここでは、その骨子を紹介し、自らの指針としても用いようと思います。
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新しい職務に就く前に終えておくべきこと
- 家庭や通勤環境を安定させる
- 過去を切り離して新しい職務だけを考える
- 面接を通じて得た情報や外部公開資料を用いて、業界や会社について研究する
- 外部アドバイザーに会う
- 組織の第一印象を書き留め、機会と課題を整理し、課題の原因に対する仮説を立てる
最初の週終了時に終えておくべきこと
- 計画と実績、その他のデータに目を通す
- 部下の話を徹底的に聞く
- 上司及び主要ステークホルダーの期待を拾い上げる
- 主要プロセスを理解し、各組織の繋がりと顧客との接点を理解する
- チーム内コミュニケーションのためのルーティンを固める
- 新たな情報をもとに、機会と課題、課題の原因に対する仮説を修正する
- 上司に90日プランについて話し、互いの見方を共有する
30日終了時に終えておくべきこと
- チーム内コミュニケーションのためのルーティンを実行に移す
- 非公式360度評価を通じて、「もっとこうしたら良い」点を吸い上げる
- STARSモデルを用いて、組織が置かれている状況を把握する
- 機会と課題、課題の原因に対する仮説をチームで共有し、フィードバックを受ける
- 組織外部のキーパーソンから、外部から見た組織の強みと弱みを拾う
- 新たな情報をもとに、機会と課題、課題の原因に対する仮説を修正する
- 上司と面談し、着任90日以内に達成すべき「初期の成果」として適当な3つの課題を絞り込む
60日終了時に終えておくべきこと
- チームメンバーを評価し、留任・能力開発・異動・交替・観察のいずれかに割り当てる
- チームを、戦略的方向性・構造・プロセス・スキルといった観点から評価し、バランスを欠いている部分を見つけ出す
- 組織外部のキーパーソンとのコミュニケーションをルーティン化する
- 「初期の成果」達成に向けて取り組みを開始し、進捗を見える化する
90日終了時に終えておくべきこと
- 機会と課題、課題の原因に対する仮説から、向こう1年間で解決すべきチームの目標を再設定する
- チームメンバーの役割、役職と目標を再設定する。足りない機能があれば、強化方針を実行に移す
- 非公式360度評価を通じて、「もっとこうしたら良い」点を吸い上げる
- 上司と面談し、「初期の成果」達成状況を客観的に評価する