ミセス・ワタナベの敗北

EVERYONE’S mother or auntie seems to be at it. With short-term interest rates virtually nil and bonds yielding not much more, Mrs Watanabe, the ubiquitous Japanese housewife who controls the family finances, has been getting more daring in her investment habits.

The Economist, 27 March 1997

為替相場が大きく動いた。こんなに大きく動いた日はちょっと記憶にない。ロングポジションを取る傾向にある個人投資家は、相当痛い目にあっている。株価も大暴落した。こちらもロングが基本だろうから、損失は免れない。

ミセス・ワタナベというのは、ネット証券経由で為替取引を行う日本の個人投資家の総称。いくつか特徴があって、外国通貨の高金利メリットを享受するため、円を売って外国通貨を買う。しかもレバレッジを利かせて買う。そして証拠金の範囲内でしか取引できないので、逆に動いたときに耐えられず損切りが早い。個人投資家とはいえ集団になると動かす元本は相当大きいことから、買うほうでも売るほうでも、極端な動きを助長する。特に、ロングポジションで損失が膨らむ円高局面では、ミセス・ワタナベの損切りが円高をどんどん進めてしまう。株式市場でも同じ。最近の相場は大きく振れるから、資本力のない個人は損切りを余儀なくされ、資本力のあるヘッジファンドが勝ちをさらう。

僕は、ミセス・ワタナベのように振り回されることのないように、証拠金積み増しに耐えられる範囲でポジションを作るようにしている。

ところで、僕は英国の会社につとめていて、会社の株を少し持っているから、結果として為替でも株でもやられてしまった。迷惑なことです。トレーディングで持っているわけではないから、相場が落ち着くまで少し様子見しよう。

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