R-word Indexとは、英エコノミスト誌が2008年に記事にした、簡潔且つ示唆に富む景気指標です。Recession(不況)という単語が主要紙に何度登場したかを四半期ごとに計ったもので、因果関係はともかく、計測値と景気動向には相関があると言われています。確かに、新聞に「不況」という文字が踊りだすと、ちょっと高い買い物を控えようとか、リスク投資を控えようとか、無意識のうちにそういった行動になるのかもしれません。
上図は英エコノミスト誌の2011年の記事からとったグラフですが、R-wordの山は、米国の1990年と2007年の不況とピッタリ符合しています。
そろそろ、この指標が記事になるのではないかと思い、日経新聞電子版で「不況」というキーワードを含む記事数を、2015年以降の四半期ごとに拾ってみました。その結果、下図の通りで、確かに最近「不況」というキーワードが新聞に登場する回収は増えていますが、過去のトレンドに比してまだ取り立てて多いというレベルではありません。 実際、2016年半ばや2017年年末に数字が跳ねていますが、 取り立てて大きな不況絡みのニュースがあったかというと、ちょっと思いつきません。一紙だけの数字ですから、特集記事があったりすればそこで跳ねてしまう可能性は多分にあります。
新元号のお祭りもありますから、不況が本格化するのはもう少し先ですかね。