汎用ツールを使った、直感的に使いやすいシンプルな予約ツールです。
米国でお世話になった方と久しぶりにお話をする機会があり、その方がCalendlyというツールを使って日程調整してくださいました。そのときはじめてこのツールに触れたのですが、日程調整に特化したシンプルなツールで、とても使いやすいという印象を持ちました。その後、歯科医師の先生方、事務長の方々、衛生士の方々のお話を伺いながら、Calendlyをベースにした予約管理ツールを作ってみました。
Calendlyは世界で1,000万人のユーザーがいるといわれている日程調整の標準ツールです。汎用性が高くカスタマイズが簡単にできますし、他のツールとの連携オプションも豊富に用意されています。ただ、日本での展開には今のところ力を入れていないようで、日本で普及しているツール(Lineなど)や、歯科医院で使用されているレセコンや電子カルテなどとの連携はできません。
むしろ、データセキュリティ上の観点からレセコンや電子カルテとは敢えて切り離して、患者様の利便性と予約管理業務の簡素化だけを目的とする場合には、非常にコスパの良いツールになります。安価ですから、広告宣伝がメインのE parkなどの予約ツールと並行して使用しても、大きな負担にはなりません。
ツール設計にあたっては、3つの基本コンセプトを念頭におきました。①何より患者様にとって使いやすく、ダブル・ブッキングもなく、電話連絡なしで予約が完結すること。②医院様のユニット単位(営業時間単位ではなく)で、予約可能枠の開け閉めが簡単にできること。③担当制であるべき治療と、担当制ではなく空いている医師が対応する治療と、いずれの場合にも適用できること。
①については、Calendlyが得意とするところで、患者様のPCまたはスマホから予約ツールにアクセスするとこのような画面が提供され、営業日ごとに示される予約可能な時間から、患者様のご都合がつく時間を選ぶことで予約が完了します。医院様のGoogleカレンダーには予定が自動的に記録され、患者様には予約確認メールが送付されたうえで、患者様のGoogleまたはAppleカレンダーに予約が自動的に記録されます。
予約日が近くなると、ツールからリマインドメールが患者様に自動的に送信されます。医院様、患者様のいずれかが予約を変更、キャンセルしたいときは、メールに付されているリンクから簡単に変更、キャンセル可能です。変更やキャンセルを受け付ける期限を定めることも、これらリンクを患者様に知らせないこともできます。
②について、CalendlyをGoogleカレンダーと連携させることにより簡単に実現できます。以下は2ユニットの事例ですが、お昼休みが設定されていて、そこには予約が入りません。予約を入れたくない時間帯に予定を入れておくことで、患者様にその時間帯を予約可能として示さなくなります。ユニット単位で予定を設定しておくことも可能です。
③について、Calendlyに優れた機能が搭載されていて、その機能を使うことで、例えば2人の医師のいずれかが空いていれば、その空いている部分を予約可能枠として患者様に示すことができるようになります。ひとつの予約可能枠に2つの予約を受け付けるというロジックだと、2つの予約を同時に満たすために、常に2名の医師を割り当てておく必要がありますが、Calendlyの優れた機能を使えば、割り当て可能な医師の数に応じて、予約可能枠における予約可能数が決まりますから、医院様にとって医師の数を調整できるという大きなメリットがあります。
これら一連の設定は決して難しくはありませんが、お忙しい医師や事務長の方々が取り組むには多少骨が折れる作業だと思います。何より患者様の利便性を考えてウェブ予約ツールの導入をお考えの先生がいらっしゃいましたら、業界専門コンサルタントとして、このツールの普及をサポート致します。