地方創生

僕自身、5年ほど地方都市で過ごしました。地方といっても50万人都市であり、生活面での不自由は全くありませんでした。むしろ、通勤は楽だし、山登りやサイクリングを楽しめたし、何より住居費が東京とは比較にならないくらい安く、人間らしい暮らしができました。

人口は微増。東京に見られるような再開発の勢いは全くなく、都市の変化はのんびりとしています。それでもおそらく市民の大半は、今の生活環境に満足していると思います。だから地方創生っていう言葉がピンと来ない。都市機能の更なる充実の方がピンときます。

過疎化が進む村を再生しようとする努力は尊いとは思いますが、国の政策という枠組みでとらえると効果が小さ過ぎます。地域経済力を生み出すには人口集中が必須であり、すでに出来上がっている地方の中核都市に焦点を絞って、資本を投下、もしくは誘導していくことが合理的です。

限られた国民所得を再配分するにあたって資本を集中させるためには、配分される側の数を集約させればよい。対象都市を絞り込んでもよいし、もっと大胆に市町村や都道府県という地方公共団体の数そのものを減らしてもよい。

民間資本を誘導するにあたっては、工場を中国や東南アジアから呼び戻す施策が有効です。人件費が高いというなら、法人税を徹底的に下げるなり、土地を地方自治体が安価に賃貸するなりして、競争力を与えてあげればよい。

そんなことを考えながら、政府の地方創生施策案を読むと、全般的にバラマキという印象が拭えません。そもそも地方創生という言葉そのものが、「地方」という極めて広い地域を再生させるという意味に通じ、必然的にバラマキが導かれてしまう。1,000億円で穴を掘って埋めることにならなければよいのですが。

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