英エコノミスト誌で、毎年国連が主導しているWorld Happiness Report(国民の幸せ調査)が紹介されていました。経済誌らしく、その結果をGDPとの関係で図示したものが下表です。
表を眺めると、大方の予想通り、一人当たりGDP(簡単に言えば一人当たりの給与)が高い国の国民ほど、幸せだと答えているように見えます。ところがちょっと詳しくここ10年の変化で見てみると、そのような関係を示していると統計的に言えません。日本、米国、ブラジル、スペイン、インドなど多くの国で、GDPが増加しているにも関わらず、幸せ度合が減っています。成長著しい中国では、GDP増加幅の比して、幸せ度合いの増加幅があまりに小さい。
資本主義で生じる資産を持つ一部の人への富の集中(参考記事はこちらです)が、大多数の持たざる人の不満を助長してしまっているのでしょうか。或いは、人間は物質的に豊かになったあと、その先で精神的な豊かさを求めていくのでしょうか。日本に限って言えば、物質的な貧富の差が開いている結果のような気がします。